現実を基盤にものを考えないと単なる自己満足になる |
もちろん大半は同意できる記事なのだが、左派という集団にはありがちな「夢想癖」がやはりここにも付いて回るのだ。
今回、このブログで俎上に上げられたのは東京新聞の記事である。
「与党にも野党にも期待できない」という凡庸なセリフを載せる、物足りない東京新聞の記事
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-6551.html
「野党不在の今は、安倍に退陣してもらって、他の誰かが自民からでも出てくるのを待つしかない」
東京新聞の書いていることはデモ隊の意見であり、おそらくデモ隊のみならず日本人の大多数が感じ取っていることだろう。
仮に今、国政選挙があれば間違いなく自民党は大敗する。それでも第一党の座は守るに違いない。なぜなら前の記事の通りだ。野党がどうしようもないからである。民主党の発言の数々を見ても「もう少し気の利いたツッコミはできないのか?」と情けなくなるほどだ。
「霞が関の埋蔵金」とか「公務員人件費2割削減」とか「事業仕分け」とか、ありもしないものに頼ったり、景気を悪化させるような経済政策をとったり、地域への再配分というものをまったく無視したネオリベ的な政策でポピュリズム政治を行おうとしたり、とても政権を任せられる能力はない。
維新など第2自民党そのものだし、共産党も「大企業がー、富裕層がー」ばかりでは国民の広範な支持を得られるわけがない。
それと公明党の存在を軽視している。Z層と呼ばれる公明支持層はあらゆる政党の中で最も強固だ。自民の弱い地盤は公明が補完するだろう。これらを考えると、自公は大敗はするが政権の座から落ちることは到底考えられないのである。自公は賢い。嫌いな政権でもそれだけは認めざるを得ない。
それでも「村野瀬玲奈の秘書課広報室」は、何が何でも自民党を打倒して野党が政権を奪い取る以外の記事は腰抜け呼ばわりする。あくまでも野党独自で勝つという夢を見続けろというのだ。
だがはっきり言おう。将来的にはともかく、今の段階でそれは100%ない!
現実を直視して、そして良識のある人ならこう思うだろう。
「とにかく一度、自民党を選挙で大敗させる。政権党から落ちることはあり得ないだろうが、敗北の責任を取って安倍は首相から退く。そのあと誰が首相になるかは国民には決定できないが、安倍よりもハト派的で、福祉政策などを重視する人材は自民党の中にもいるはずだ」
もちろん外交や防衛はハト派でも、極端な緊縮財政主義者が首相になるかも知れない。それも困りものだが、民主党だって極右でネオリベという危険な議員はいっぱいいるのだ。「民主は左翼」などと言っているのは思考回路の働いていないネトウヨぐらいのものである。
選挙は「最善が無理なら次善」という。それを思えば、政権担当能力が欠落し、景気の浮揚さえできなかった民主党よりも、穏健保守で善隣外交を行い、理想とはいえないまでも再配分も行ってきた宏池会系の流れを汲む派閥に任せるしかないのだ。そんな現実がまるで見えていない左派が多いのは残念なことだ。
少なくとも現在の未熟な民主党など野党に政権を再び渡すことは、国民を幸福にしない。