ニッポンの害人(5)―百田尚樹 |
だが百田が暴言・妄言、しかも他人への侮辱や名誉毀損などの発言を滝のように吐き出すようにエスカレートしてきている。中には明らかにヘイトスピーチとしか思えないものも多数混じっているようになったとあってはもう黙ってはいられない。
百田は最近の著書で「口を開けば叩かれる。しゃべっていいのは当たり障りのないことばかり」と書いている。どうもこの男は、自分の暴言や事実誤認は黙って受け入れられるべきで、反論されるのは気に入らないらしい。
ケンカを仕掛けておいて反撃されたら、「なんでやり返すんだよ!?」と間抜けなことを言っているのと同じだ。
さて百田の沖縄バッシングにはひどい誤解と偏見が満ちているのでそれから指摘したい。言っておくが、これは百田が勝手に妄想に基づいて批判したが故の反論である。
好き勝手なデマを振り撒けば、それが叩かれるのは当然のことであることをまず述べておく。
沖縄の議員照屋寛徳氏によると、百田の言う「(普天間は)もともと田んぼの中にあり、周りには何もなかった。基地の周りに行けば商売になると、みんな何年もかかって基地の周りに住みだした」との発言が大間違いであることを指摘している。普天間には基地ができる前、この地域には集落が5つもあり、役場や学校もあったそうだ。
そして「基地の地主さんは年収何千万円なんですよ、みんな」「ですからその地主さんが、六本木ヒルズとかに住んでいる」という妄言にも怒り心頭だ。照屋氏によれば43,000人にのぼる地権者のうち、半数以上が地料100万円以下であり、500万以上受け取っているのは7.9%に過ぎない。地主のすべてが年収何千万などというのはまったくのデマである。
そもそも、普天間がもとはただの田んぼしかなかったのなら、年間賃料が何千万にもなるわけがないではないか? こんな初歩的な論理矛盾にも気づかないのか?
百田の言う「口を開けば叩かれる」は見事なブーメランである。
ネット上では野党議員や安保法制反対を表明した芸能人、作家、漫画家などがそろって大バッシングを受けている。バッシングしているのは言うまでもないが、ネトウヨという人でなしどもである。バッシングには当然苛烈な反論も来る。反論を言論弾圧だと言っているネトウヨは頭がおかしいのではないか? 百田の思想はネトウヨとそっくりである。
そもそも確たる根拠もないままに「普天間の地主は大金持ちで六本木ヒルズなどに住んでいる」などといい加減なことを書けば反論や批判が飛んでくるのは当然のことだ。
過激なことを書けばその反論も当然のように過激になる。間違ったことを書けば猛烈な批判にさらされる。言論人が正確を期した発言を求められるのは当然だが、また反論も受け止めなくてはならない。
何度も書くが、ケンカを売っているのは百田なのだ。反論されるのが嫌なら自宅の便所にでもこもってひとりで吼えてるがいい。それなら誰も文句は言ってこないだろう。