資生堂ブラック化と落ちぶれたNHK |
これまで働く女性の権利を保護し、特に子育て中の女性への心配りを続けてきた資生堂が突然方針を転換させ、子育て女性にも、ほかの女性社員と同じノルマを強要するようになったという。
さて資生堂は方針転換の理由として以下のようなことを挙げている。
・育児勤務時間短縮制度では夕方の忙しい時間帯に不在になってしまう
・繁忙時に美容部員が店頭に足りない
・子育てをしていない社員からの不公平との不満
だがNHKでは、
・家族の協力を得られるかを調査しながらシフトを決定している
・子育て社員にもチーフを目指してもらいたい
・子育て社員も戦力としたい
とこの決定を好意的に捉えている。
だが、肝心なことを忘れている。子育て期間中の時短に対応できないのは、余裕のある人員配置をしてこなかったからであり、これへの対応を子育て社員に負担するのはお門違いだ。
夕方の忙しい時間、繁忙時などというのはあくまでも会社の都合であり、子育てが会社の都合に合わせてくれるはずはない。変えることができるのは会社側のシフトである。
まして「子育てをしていない社員からの不公平との不満」があるというのなら、それは資生堂が、嫉妬に狂う粗悪な人間を雇っているに過ぎない。
決して労働者に優しいとは言えない私の職場でも産休・育休は普通に取られており、それに不平不満を漏らす同僚はいない。資生堂は質の悪い社員を雇っていると自分から認めただけである。
NHKが強調したがったポジティブ面については、こうした子育て勤務というものを経ても、なおかつ男女平等な昇級や出世ができる社会であるべきという考え方を放棄してしまっている。やはり最近のNHKはどこかおかしくなっている。
そして意外というか、まあある意味当然というか、ネット上では資生堂の方針を批判する声が多かったという。ネットでも健全な意見が多いものだなと救いを感じる。
日本のメディアは基本的に新自由主義礼賛である。右派的と言われる産経から、左派的と言われる朝日に至るまで、政治思想こそ差はあるものの、経済的な方針としては「自由経済・競争至上主義」が幅を効かせているのが現状だ。
普段はまるで一般市民の味方であるかのような報道姿勢を装っていても、いざとなるとこのように企業側の言い分を無批判に垂れ流す本性が現れ出る。
「ネオリベ」方針に転換したブラック企業にはNO!を突きつけよう。そしてこうした「ネオリベ経営」を無批判に持ち上げるメディアにもNO!を突きつけてやるのが良い。