2016年 06月 09日
社会主義を恐れる人は誤解している |
アメリカ・イギリスという資本主義の最先端を行くような国で、静かに経済左派が台頭している。
それはアメリカに民主党のバーニー・サンダース氏、イギリスに労働党のジェレミー・コービン氏という左派政治家が躍進してきたからだ。メディアはキワモノのトランプ氏を取り上げたがるが、どちらの国も若者の支持を受けてこの左派候補が台頭した。
このふたりの共通点ははっきりと「自分は社会主義者だ」と述べていることである。思想的には極右なのに、中道を装う自民党の政治家や自称中道のネトウヨに見せてやりたい度胸と潔さである。
とかく日本では社会主義とか共産主義というと危険な思想だという偏見が強い。それには旧東側諸国の経済的失敗もあるだろうが、やはりもっとも警戒されている点は「私有財産の否定」「努力と無関係な平等主義」であろうと思われる。
すなわち「社会主義のもとでは頑張って働いても成果は評価されず、私有財産は国に没収される」という考えである。だがこれはまったくの誤解からきた発想なのだ。個人蓄財も、成果主義も、社会主義のもとで否定されることはない。
カール・マルクスの主張する財産の共有化とは生産手段の共有化である。個人の財産を没収するなどという話ではない。すなわち企業などは個人の持ち物ではなく、公的な機関として機能すべきということを述べているのだ。そしてその傾向は実際、企業規模が大きくなるほど資本主義社会の中でも現実のものとなっている。
また「過剰な平等主義」ということもマルクスは語っていない。むしろマルクスはこうした思想を「粗野な共産主義」と表現し厳しく批判している。「働いても働かなくても給料は同じ」などというのはマルクスの著書を誤読したか、あるいは「社会主義者はこういうだろう」との勝手な憶測に基づいた見解なのだ。
これも多くの人が誤解しているが、マルクスは資本主義を否定していない。社会の発展のためには、まず資本の成長が必要と述べているのだ。その上で「成熟した資本主義はやがて共産主義へと移行する」であろうことを予言している。つまり社会主義はそれ自体が独立した思想ではなく、資本主義が成長しきったあと脱皮する姿を述べているのである。
では旧東側諸国が失敗した理由はどこにあるだろうか? それは「資本主義の発展」という前段階を経ていなかったためである。形ばかりの「平等」を追ってしまったことが無理に繋がったのだ。というのもソ連が建国したのは1922年である。まだ資本主義の成果となる形が世界に現れていない時代だったためである。
現在、資本主義の形態を成している国でも、社会保障の分野などで社会主義の思想を受け入れていない国はない。成熟した国ほどそういう傾向がある。社会主義とはそういうもので、「はい、これからわが国は社会主義になります」と宣言するようなものではない。社会のシステムに部品のように組み込まれていくのが社会主義といっていいだろう。あとはその程度だけだ。
それはアメリカに民主党のバーニー・サンダース氏、イギリスに労働党のジェレミー・コービン氏という左派政治家が躍進してきたからだ。メディアはキワモノのトランプ氏を取り上げたがるが、どちらの国も若者の支持を受けてこの左派候補が台頭した。
このふたりの共通点ははっきりと「自分は社会主義者だ」と述べていることである。思想的には極右なのに、中道を装う自民党の政治家や自称中道のネトウヨに見せてやりたい度胸と潔さである。
とかく日本では社会主義とか共産主義というと危険な思想だという偏見が強い。それには旧東側諸国の経済的失敗もあるだろうが、やはりもっとも警戒されている点は「私有財産の否定」「努力と無関係な平等主義」であろうと思われる。
すなわち「社会主義のもとでは頑張って働いても成果は評価されず、私有財産は国に没収される」という考えである。だがこれはまったくの誤解からきた発想なのだ。個人蓄財も、成果主義も、社会主義のもとで否定されることはない。
カール・マルクスの主張する財産の共有化とは生産手段の共有化である。個人の財産を没収するなどという話ではない。すなわち企業などは個人の持ち物ではなく、公的な機関として機能すべきということを述べているのだ。そしてその傾向は実際、企業規模が大きくなるほど資本主義社会の中でも現実のものとなっている。
また「過剰な平等主義」ということもマルクスは語っていない。むしろマルクスはこうした思想を「粗野な共産主義」と表現し厳しく批判している。「働いても働かなくても給料は同じ」などというのはマルクスの著書を誤読したか、あるいは「社会主義者はこういうだろう」との勝手な憶測に基づいた見解なのだ。
これも多くの人が誤解しているが、マルクスは資本主義を否定していない。社会の発展のためには、まず資本の成長が必要と述べているのだ。その上で「成熟した資本主義はやがて共産主義へと移行する」であろうことを予言している。つまり社会主義はそれ自体が独立した思想ではなく、資本主義が成長しきったあと脱皮する姿を述べているのである。
では旧東側諸国が失敗した理由はどこにあるだろうか? それは「資本主義の発展」という前段階を経ていなかったためである。形ばかりの「平等」を追ってしまったことが無理に繋がったのだ。というのもソ連が建国したのは1922年である。まだ資本主義の成果となる形が世界に現れていない時代だったためである。
現在、資本主義の形態を成している国でも、社会保障の分野などで社会主義の思想を受け入れていない国はない。成熟した国ほどそういう傾向がある。社会主義とはそういうもので、「はい、これからわが国は社会主義になります」と宣言するようなものではない。社会のシステムに部品のように組み込まれていくのが社会主義といっていいだろう。あとはその程度だけだ。
by leftwing63
| 2016-06-09 09:00
| 社会(経済)