2016年 05月 26日
教育をめぐる都市伝説~「手をつないでゴール」 |
世の中の保守的な人は「競争」が大好きだ。反面「共存」「共生」という言葉には感情的に拒否反応を示す。不思議なことに、「競争大好き派」の保守・右派の人たちほど、突出した個性を出すことには否定的で「空気を読め!」と言い出すくせがある。
そんな中でいまだに生き残っているのが、
「最近の運動会は、かけっこでも順位をつけず、手をつないでゴールする。これは左派に乗っ取られた教育現場の、悪しき平等主義だ」
という文言である。
ところがその「実例報告」が皆無に近いのだ。
一部テレビ(テレビ朝日という説があるが裏が取れていない)でそのようなシーンがあったという書き込みは見たが、テレビというものは必ず編集が入っている。普通のかけっこではなく、何らかの意図を持った競技のシーンでも「かけっこで手をつないでゴール」のように見せることは簡単だ。
何より学校へ子供を通わせている(通わせていた)保護者の間から、
「うちの子が通う学校の運動会は、手をつないでゴールしてました」
という実例の報告がほとんど聞かれないのはなんとも不可解である。私の子供が通った小学校も、普通に順位をつけていた。ただし実力が似たもので競わせていた。
世の中にはシバキあげ待望論をぶつような親もいる。そんな親の前で「手をつないでゴール」などすれば、ただちに投稿されるなりするはずではないか?
新聞、テレビ、雑誌、ネット…これほどさまざまなメディアで情報が発信されている中で、「手をつないでゴール」報告がほとんど皆無だということは、実はそのような例は存在しないのではないかと考えることの方が自然だ。
以前、コミケ会場で「10万人の宮崎勤が…」発言がテレビで放映されたという話を取り上げたことがある。この発言の時代はすでにビデオ媒体が発達していた時代なのに、まったく動画サイトなどに出てこないのが不思議だと書いたように、「かけっこで手をつないでゴール」というのもこれだけ「実例報告」がないということは、もはや都市伝説のたぐいだと言っていいだろう。
教育という問題についての考え方は百人百様。これについて語り出したら何もまとまらないという世界だ。
そんな中で、民主化しつつある現代の教育に不満のある人が、「今の教育は戦後民主主義に毒されている」と主張しだすと、ありもしない「手をつないでゴール」という、架空の運動会を作り上げてしまうのではないか? そしてそれが拡散され、いつの間にか、「今の学校は腑抜けた平等主義に満ちている」という思い込みに繋がっているように思える。
そんな中でいまだに生き残っているのが、
「最近の運動会は、かけっこでも順位をつけず、手をつないでゴールする。これは左派に乗っ取られた教育現場の、悪しき平等主義だ」
という文言である。
ところがその「実例報告」が皆無に近いのだ。
一部テレビ(テレビ朝日という説があるが裏が取れていない)でそのようなシーンがあったという書き込みは見たが、テレビというものは必ず編集が入っている。普通のかけっこではなく、何らかの意図を持った競技のシーンでも「かけっこで手をつないでゴール」のように見せることは簡単だ。
何より学校へ子供を通わせている(通わせていた)保護者の間から、
「うちの子が通う学校の運動会は、手をつないでゴールしてました」
という実例の報告がほとんど聞かれないのはなんとも不可解である。私の子供が通った小学校も、普通に順位をつけていた。ただし実力が似たもので競わせていた。
世の中にはシバキあげ待望論をぶつような親もいる。そんな親の前で「手をつないでゴール」などすれば、ただちに投稿されるなりするはずではないか?
新聞、テレビ、雑誌、ネット…これほどさまざまなメディアで情報が発信されている中で、「手をつないでゴール」報告がほとんど皆無だということは、実はそのような例は存在しないのではないかと考えることの方が自然だ。
以前、コミケ会場で「10万人の宮崎勤が…」発言がテレビで放映されたという話を取り上げたことがある。この発言の時代はすでにビデオ媒体が発達していた時代なのに、まったく動画サイトなどに出てこないのが不思議だと書いたように、「かけっこで手をつないでゴール」というのもこれだけ「実例報告」がないということは、もはや都市伝説のたぐいだと言っていいだろう。
教育という問題についての考え方は百人百様。これについて語り出したら何もまとまらないという世界だ。
そんな中で、民主化しつつある現代の教育に不満のある人が、「今の教育は戦後民主主義に毒されている」と主張しだすと、ありもしない「手をつないでゴール」という、架空の運動会を作り上げてしまうのではないか? そしてそれが拡散され、いつの間にか、「今の学校は腑抜けた平等主義に満ちている」という思い込みに繋がっているように思える。
by leftwing63
| 2016-05-26 09:00
| 社会(教育・学問)