2016年 10月 15日
富士山が世界自然遺産ではないわけ |
先年、世界遺産の選定に富士山が周辺地域とともに指定された。だがそれは日本が望んでいた自然遺産ではなく、文化遺産だった。これは日本にとっては複雑な気分となる決定である。
以前から富士山はゴミ問題がある、ゴルフ場などの開発が進んでいる、軍事演習場があるなどの理由を挙げて自然遺産になれないとされてきたが実際は違う。もっと屈辱的な理由である。それは、
「富士山など珍しくもない火山」
というのが最大の理由である。残念だがこれが世界から見た現実である。
この決定がよほど悔しかったのか、静岡大の小山真人氏は次のような随筆を書いた。
富士山には世界自然遺産の価値がないのか
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/onlinepaper/koyama2014.pdf
小山氏は私が自然科学を学ぶ上で非常に尊敬できる方であった。しかしながら私には今回の小山氏の文章はいわば「負け犬の遠吠え」にしか見えない。小山氏の強調したがる噴火様式や噴火規模の大きな火山などほかにいくらでもある。
富士山と非常に似た火山がイタリア・シシリー島のエトナ火山である。標高、体積、噴火形式、山容など、富士山と似ている。こちらは自然遺産に指定されている。ではエトナと富士山の最大の違いは何か? それは噴火頻度である。エトナは毎年のように噴火し、観光客が噴火の光景を眺めることが常にできるのだ。これから比較すると富士山は数百年に一度大きな噴火をするタイプの火山なのでどうしても魅力に欠ける。
噴火形式の多様さというなら4000mの標高を持ち、普段は静穏な噴火をしていたインドネシアのタンボラ火山が世界最大の爆発的噴火を起こし、カルデラを持つに至った多様性と比べても優れているとは言えない。
そもそも小山氏の語る火山の学術的解説はいくら述べても、実際に存在する火山の風景の比較の前には何の力も持たないのだ。ユネスコの基準からいえば、日本で最も自然遺産に適合するのは阿蘇くじゅう火山地帯であろう。
ではここからは世界の自然遺産に選定された火山の風景を見てもらおう。その上で、客観的に判断してもらえば富士山では太刀打ちできないことがわかるだろう。
カムチャツカ火山群
http://www.tbs.co.jp/heritage/1st/archive/20011216/access.html
http://www.geocities.jp/tos2123/kamcha/01kamcha.htm
http://dlift.jp/photo/photoDisplayWorldHeritage712
サンガイ火山
http://jp.123rf.com/photo_19477745_stock-photo.html
エトナ火山
http://wall.kabegami.com/word/%E3%82%A8%E3%83%88%E3%83%8A%E5%B1%B1?page=1#pager
http://takashi1016.com/etna-5250
以前から富士山はゴミ問題がある、ゴルフ場などの開発が進んでいる、軍事演習場があるなどの理由を挙げて自然遺産になれないとされてきたが実際は違う。もっと屈辱的な理由である。それは、
「富士山など珍しくもない火山」
というのが最大の理由である。残念だがこれが世界から見た現実である。
この決定がよほど悔しかったのか、静岡大の小山真人氏は次のような随筆を書いた。
富士山には世界自然遺産の価値がないのか
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/onlinepaper/koyama2014.pdf
小山氏は私が自然科学を学ぶ上で非常に尊敬できる方であった。しかしながら私には今回の小山氏の文章はいわば「負け犬の遠吠え」にしか見えない。小山氏の強調したがる噴火様式や噴火規模の大きな火山などほかにいくらでもある。
富士山と非常に似た火山がイタリア・シシリー島のエトナ火山である。標高、体積、噴火形式、山容など、富士山と似ている。こちらは自然遺産に指定されている。ではエトナと富士山の最大の違いは何か? それは噴火頻度である。エトナは毎年のように噴火し、観光客が噴火の光景を眺めることが常にできるのだ。これから比較すると富士山は数百年に一度大きな噴火をするタイプの火山なのでどうしても魅力に欠ける。
噴火形式の多様さというなら4000mの標高を持ち、普段は静穏な噴火をしていたインドネシアのタンボラ火山が世界最大の爆発的噴火を起こし、カルデラを持つに至った多様性と比べても優れているとは言えない。
そもそも小山氏の語る火山の学術的解説はいくら述べても、実際に存在する火山の風景の比較の前には何の力も持たないのだ。ユネスコの基準からいえば、日本で最も自然遺産に適合するのは阿蘇くじゅう火山地帯であろう。
ではここからは世界の自然遺産に選定された火山の風景を見てもらおう。その上で、客観的に判断してもらえば富士山では太刀打ちできないことがわかるだろう。
カムチャツカ火山群
http://www.tbs.co.jp/heritage/1st/archive/20011216/access.html
http://www.geocities.jp/tos2123/kamcha/01kamcha.htm
http://dlift.jp/photo/photoDisplayWorldHeritage712
サンガイ火山
http://jp.123rf.com/photo_19477745_stock-photo.html
エトナ火山
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by leftwing63
| 2016-10-15 09:00
| 社会(教育・学問)