高齢者は「逃げ得」だって? |
この数字は4ヶ月連続の更新だそうだが、更新されるのには理由がある。
それはやはり「高齢化」である。
日本は今かつてない勢いで高齢化が進んでいる。なにせもとより平均寿命が長く、しかも少子化対策には失敗し続けている以上、高齢者の比率は増え続けるに決まっているのだ。
そして高齢者はいつか配偶者と死別する。よく「孤独死」などという言葉が使われるが、人間というものは、いやどんな動物でもそうだが、いずれ夫婦のどちらかが先に死ぬ。すると残された方は家ならずひとりになるのだ。
「しくじり先生 俺みたいになるな!!」は私が楽しみにしている番組のひとつだ。
なにせスタンスがいい。テレビのバラエティ番組はどこもかしこもろくに芸のない「芸能人」のバカ騒ぎのようなものが多い中で、この番組は異彩を放っている。
そしてそんな「しくじり先生」で、離婚した男性出演者(先生)がやたらと口にするのが「将来、孤独死するのではないか?」という不安である。
しかしこれはどこかズレてはいないか? どうも男というものは夫婦では自分が先に死ぬ、すなわち自分は死を看取られる側にいるとばかり思い込んでいる。
私に言わせればこれは情けないことだが男の「甘え」に過ぎない。先にも述べたように夫婦は心中でもしない限り、どちらかが必ず先に死ぬのだ。寿命からいえば女性が長寿だが、その順番が狂うことなどいくらでもあり得る。男性出演者が「孤独死」をやたら連発するのは、自分が残される可能性を考えていない証拠である。
そして収入源の少ない高齢独居家庭は生活保護に頼らざるを得なくなるのだ。少子化は現在も進行中である(合計特殊出生率が2を超えない限りは少子化は進行中といっていい)。今後さらなる高齢化の波は押し寄せるだろう。
なにせ保育園さえクレームばかりをぶつけてまともに作らせない社会だ。少子化の止まる要素は今のところまったく見出せない。
そこでタイトルの意味である。
日本に巣食うネオリベたちは常々こう言ってきた。
「今の高齢者は恵まれている。低い年金負担で、高い還元を受けられる。だが今の若者は働いて年金を納めるだけでそれは裕福な高齢者の食い物となるだけだ。勝ち逃げ世代だ」
生活保護の世帯分布を見れば、こうしたネオリベ、たとえば辛坊治郎が真っ先に名前が挙がるが、「高齢者=裕福」という構図は決して正しいものではないことがわかる。
なんせ高齢者の生活保護は全体の51%にも達するのだから。
もし高齢者が本当に勝ち逃げ世代なら、なぜ生活保護率が高齢になるほど上がっていくのか疑問に思わないのだろうか?
こういう連中は次代を担う若者に調子を合わせておけば支持が得られると思い込んでいるが、絶対に真に受けてはならない。ネオリベの目論み通りにことが進めば、今の若者が高齢者になる頃にはもっとひどい高齢者貧乏の時代になってしまうだろうからだ。