日本人の若者は差別的という衝撃 |
結果は圧倒的にヒラリー支持。もちろんこれは常識的に考えられることだ。
ところがある一層だけ、トランプ支持が異常に高いという層があった。それが若い男性層である。その他の年齢層、性別ではほとんど10倍くらいヒラリーに偏っていたのが、この若い男性層だけはトランプ36対ヒラリー39と、ヒラリー支持が多数派ながらその数字は拮抗していたのだ。
これは衝撃的な数字である。
というのはイギリスのEU離脱投票、アメリカ大統領選ともに、ともに英米ともに若い層はEU残留、ヒラリー支持が多かったからだ。
排他的で内向きの政策ばかりを叫ぶ勢力に、海外では若者ほどNO!を叫んでいるのに、日本では若者(男性)こそ歓迎するのだ。
なぜ日本の若者(男性)はこれほどまでに排他的で内向きなのか? ネトウヨのまとめサイトなどを見て差別指向が強いのか? 差別に関して冷笑的なのか?
実はその通りなのだ。2015年12月に神奈川新聞が世論調査を行った結果、「差別があっても仕方ない」に賛成する数字は20代は43.5%で最も高く、30代29.1%、40代27.6%と比べても突出して高かった。
横浜市の課長はこの若者の傾向をはっきり「誤った認識」と断言している。
また滋賀県が2013年に行った「人権に関する県民調査」では「外国人のマンション入居拒否」に肯定したのは20代が56.6%で他の世代を圧倒している。同和問題に関しては特に差は見られないが、結婚相手の血筋を「気にするのは当然」「反対しても仕方ない」が51.6%とやはり20代が圧倒している。血液型による判断も20代は40%が肯定しておりやはり圧倒的だ。
ほぼ世界中で「差別は悪」とする認識は若い世代ほど高い。そして国際社会に向けて開かれた社会を望む率も海外では若者の方が高い。だが日本ではこの傾向がまったく逆になっている。
最後に先の滋賀県の調査では、人権意識を高めるにはどうすればいいか? との問いにも「なりゆきに任せる」「誰かほかの人が」という他人任せの意識が20代が37.5%を占め圧倒的に高いのだ。若者には差別をなくそうという気概が決定的に欠けている。
どうしてこんな国になってしまったのだろう? 私の若い頃は、今の若者より犯罪も多くバカもやったが、世の中の矛盾には率先して声をあげた世代でもある。
「差別は悪」と学校教育ではっきり教えねばならない。ネットでの冷笑主義に抗する能力を養わなければならない。今の若者の意識を見ると絶望的な気持ちになるが、それでも差別には反対し続けなくてはならないのだ。