経済オンチ民主党とダメ労組「連合」 |
だがそのあとがいけない。民主党は前回の政権時に失敗した理由をなにも理解していないのだ。
維新の党は基本的にネオリベ政党であり、かつてのみんなの党の流れをそのまま汲むものとなっている。そこで看板となるのが耳にタコができるほど聞かされた「身を切る改革」なるものである。
特に強調されているのが「公務員人件費2割削減」である。
わけもなく公務員を嫌う人なら喜ぶだろうが、こんなことをやるとどうなるか? まず公務員人件費削減は医療や介護など、公務員に準ずる性質を持つ労働者に報酬の削減として波及する。そしてその後は購買力の低下などで一般の民間労働者にも報酬の削減は波及するのだ。
というのもこれは民主党政権時代に経験してきたことでもある。民主党は国家公務員の給与を平均10%削減する政策を取った。私はこれを「最悪のポピュリズムだ」と批判したが、実際にこの時期に起きていたのはデフレスパイラルであった。これは現実に起きていた事実なのだ。それなのに民主党はまだ反省していないらしい。
さらに今は公務員も25%が非正規である。人件費の削減は公務員自体の削減のみならずそのまま非正規への移行へと繋がり、労働環境が著しく悪化する。もちろん公務の「プロ」は減るので仕事の能率は下がるし、行政サービスも低下する。ほんの3年ほど前まで施行してきて、ろくな結果を残さなかった制度をまた行おうという神経がわからない。
「身を切る改革」というなら議員報酬についはどうなのか? これについてはなにも述べていない。述べているのは議員定数の削減だけだ。だが政党としては議員ひとりひとりが落選することなど考慮していない。だから定数が下がっても自分だけ当選できていれば問題はないわけである。こちらには身勝手だ。
それに議員定数を削減することは国民の声の代表者を減らすということでもある。一票の格差を是正するのであれば、それこそ地方の声は抹殺されかねない方針なのだ。
ところが「ダメ労組・連合」は「民主に落胆大きい。だが徹底支援する」(10/6朝日)と支持を表明している。連合の中の大組織が公務員労組である自治労だが、まだこんな馬鹿な政党を支持するというのか?
「肉屋を支持する豚」とは、表現規制を推進していることを知りながら、自民党を支持しているウヨオタを指す言葉であったが、連合には労働者側から同じ言葉をぶつけてやりたい。
安倍政権は安保法制が一段落ついたところで、今度は政策の目玉を経済に絞ってきた。安保法制で落ちた支持率を回復させるには経済で売り込むのが最善である。実現性はともかく、国民の共感を得られることは間違いない。安倍政権は実に狡猾である。
そこに馬鹿のひとつ覚えで特攻して自爆するだけの民主党に出る幕はなさそうである。
なお、日本の労組批判についてはまたあらためて徹底的に書かせてもらうつもりだ。