2015年 11月 08日
観光立国を目指すのならまず偏見をなくそう |
日本はその経済力や技術力の割に、海外からの観光客が少ない。世界観光機関の発表によれば、日本を訪問する旅行者は円安で激増した2014年においても1,341万人で世界22位である。
島国というハンディがあると考えても、イギリス(8位)より低く、また隣国が北朝鮮であることから実質島国同然の韓国(20位)よりも低い。
日本は電器製品などハード大国ではあるが、カルチャーなどのソフト分野では世界に大きく遅れを取っている状況に似ている。
今年はさらに観光客が増えそうではある。そして日本も観光立国を目指したいというのであるが、日本人らしいというか、内閣府の調査によると外国人旅行客増加による問題点の1位は「治安の悪化の不安」(29%)である。日本は治安の良い国なので、外国人が来ると犯罪が増えるのでは?という不安である。あくまでも「不安」であって「実感」ではないのでこのところを押さえておいて欲しい。
では外国人旅行客による犯罪はどの程度起きているか? それを検証してみよう。
外国人旅行客といっても、実際には観光客だけでなくビジネスや就労研修も含まれているので、中にはビジネス客を装って入り込む外国人マフィアなどもいるかも知れない。これはまたあとで述べる。
2014年の来日外国人の検挙数は10,689人である。これを旅行客数で割ると犯罪率は0.08%となる。ここでの来日外国人には、最初から麻薬の密売やら不法就労やらで来ている数が含まれている。つまり純粋に観光で来ている外国人のうちで犯罪で検挙された数は0.08%よりもはるかに低く、ほとんど0に近い数字となるはずだ。
では国別の数字を見てみよう。日本を訪れる外国人数と、検挙された比率である。
中国(香港含む)334万人・犯罪率0.13%、台湾283万人・犯罪率0.004%、韓国276万人・犯罪率0.01%、タイ66万人・犯罪率0.04%、フィリピン18万人・犯罪率0.44%、ベトナム12万人・犯罪率1.25%、アメリカ89万人・犯罪率0.02%。
フィリピンやベトナムがやや高いがこれが先に述べた研修目的で入国し、不法就労していたようなケースであろう。が、それを含めてもどの国もほぼすべて1%以下である。純粋な観光客となればさらに大きく下がるはずだ。日本人の検挙率が年間0.2%であることを考えても低いといえる。それは当然である。海外旅行ができる人などはかなり経済的に恵まれた人だろうし、そんな人がわざわざ他国で自分の名誉を汚すような行為に及ぶとは考えにくいからだ。
私が述べた、「不安」であって「実感」ではない、というのもここである。
外国人観光客が増えたところで、彼らは礼儀をわきまえた人がほとんどなのである。そんな人達が日本で積極的に犯罪に関わることは考えにくいのだ。
ただ以前に比べると外国人への拒否感は弱まってきたように思える。なぜなら内閣府の調査での「外国人旅行客増加による問題点」ランキングの本当の1位は42%と圧倒的多数を占めた、
「ない」
であるからだ。外国人への偏見は弱まってきた、そこに希望を見出したい。
島国というハンディがあると考えても、イギリス(8位)より低く、また隣国が北朝鮮であることから実質島国同然の韓国(20位)よりも低い。
日本は電器製品などハード大国ではあるが、カルチャーなどのソフト分野では世界に大きく遅れを取っている状況に似ている。
今年はさらに観光客が増えそうではある。そして日本も観光立国を目指したいというのであるが、日本人らしいというか、内閣府の調査によると外国人旅行客増加による問題点の1位は「治安の悪化の不安」(29%)である。日本は治安の良い国なので、外国人が来ると犯罪が増えるのでは?という不安である。あくまでも「不安」であって「実感」ではないのでこのところを押さえておいて欲しい。
では外国人旅行客による犯罪はどの程度起きているか? それを検証してみよう。
外国人旅行客といっても、実際には観光客だけでなくビジネスや就労研修も含まれているので、中にはビジネス客を装って入り込む外国人マフィアなどもいるかも知れない。これはまたあとで述べる。
2014年の来日外国人の検挙数は10,689人である。これを旅行客数で割ると犯罪率は0.08%となる。ここでの来日外国人には、最初から麻薬の密売やら不法就労やらで来ている数が含まれている。つまり純粋に観光で来ている外国人のうちで犯罪で検挙された数は0.08%よりもはるかに低く、ほとんど0に近い数字となるはずだ。
では国別の数字を見てみよう。日本を訪れる外国人数と、検挙された比率である。
中国(香港含む)334万人・犯罪率0.13%、台湾283万人・犯罪率0.004%、韓国276万人・犯罪率0.01%、タイ66万人・犯罪率0.04%、フィリピン18万人・犯罪率0.44%、ベトナム12万人・犯罪率1.25%、アメリカ89万人・犯罪率0.02%。
フィリピンやベトナムがやや高いがこれが先に述べた研修目的で入国し、不法就労していたようなケースであろう。が、それを含めてもどの国もほぼすべて1%以下である。純粋な観光客となればさらに大きく下がるはずだ。日本人の検挙率が年間0.2%であることを考えても低いといえる。それは当然である。海外旅行ができる人などはかなり経済的に恵まれた人だろうし、そんな人がわざわざ他国で自分の名誉を汚すような行為に及ぶとは考えにくいからだ。
私が述べた、「不安」であって「実感」ではない、というのもここである。
外国人観光客が増えたところで、彼らは礼儀をわきまえた人がほとんどなのである。そんな人達が日本で積極的に犯罪に関わることは考えにくいのだ。
ただ以前に比べると外国人への拒否感は弱まってきたように思える。なぜなら内閣府の調査での「外国人旅行客増加による問題点」ランキングの本当の1位は42%と圧倒的多数を占めた、
「ない」
であるからだ。外国人への偏見は弱まってきた、そこに希望を見出したい。
by leftwing63
| 2015-11-08 09:00
| 社会(治安・法)