無能な味方(?)は敵より手強いと分かった(笑) |
ところがこれが裏目に出て、「日本政府は歴史修正主義に荷担している」との印象が強められてしまい、その結果、敵(?)である中国の南京事件選定が決定づけられてしまったという笑えない話である(11月6日毎日新聞記事より)。
だから私は前から言っていただろう。
安倍政権ができてから、世界に発信している極右的な意見の数々は日本の名誉を回復するどころか、むしろ日本の恥としてしか受けとめられず、安倍政権ひいては日本国政府全体が歴史をねじ曲げようとする存在として見られかねないと。
高橋教授の引用した資料が、まごうことなき南京事件完全否定派として知られている亜細亜大の東中野修道教授のものだったことなど、「まあこれじゃ国際社会に対しての訴求力はないわな」と思わせる選だったのだから仕方ない。
「日本側は被害者数を20万人を上限に4万人、2万人などと推計。中国側は「30万人以上」と主張した」
と記事は伝えるが、つまりは犠牲者数はともかくとして、虐殺があったことは日本政府も認めているのだから、これを全否定するような研究者を送り込んだこと自体が設定ミスなのである。
いや、高橋教授も東中野教授も「研究者」ではない。謂わば「思想家」である。
歴史の真実を調べることが主目的ではなく、「日本にとってこうだったらいいな」という希望だけで動いている学者だから世界から信用されないのだ。
こんな「思想家」を国際舞台に送り出せば、「やはり日本は過去の戦争責任から逃れようと画策している」と見られるのも無理からぬところである。そしてこんな動きは安倍政権でなければなかっただろう。ハト派の政権ならもっとマシな人物を送ったに違いない。
「外務省関係者は「(高橋教授は)保守派の中ではバランスの取れた研究者だ」と話している」
これについてはお笑いである。高橋教授は完全にカルト右翼の代表的な人物だ。
発達障害、自閉症は後天的な要素が大きく、治療が可能である、それが日本古来の文化だ、とするトンデモを主張し、男女平等に異論を唱え、夫婦別姓にも反対している。
そしてあのトンデモ教育「親学」の提唱者でもある。
こんな人物に対して「バランスの取れた研究者」などという外務省関係者とやらの脳ミソはよほど腐敗して悪臭を漂わせているのだろう。
自民党が歴史修正書籍を海外に送りつけている
http://superleft.exblog.jp/23817812/
でも述べたことだが、世界に通用しない愛国ポルノ的な「研究者」とやらが国際的な舞台に立つことは、日本の恥を晒すだけで、何の国益にもならないことをいい加減知ったらどうだ。