ヘイトスピーチは言論の自由ではない |
他人の画像を引用元も明かさずトレースしてヘイトイラストに仕立て上げたこの画像には悪意が充満しているばかりか、創造性もまるでない。まさに話題だけに乗った恐ろしく恥知らずな出版である。
悪い意味で話題にはなったから売れはするだろうが、炎上商法の中でもとりわけ悪質な手法である。
BUZZAP!によると、はすみは幸福の科学とも繋がりがあり、アングレーム漫画祭で嫌韓漫画を掲示しようとして強制撤去された「論破プロジェクト」の関係者である。
そして今回、この邪悪な画集を発売していようとしているのは青林堂である。過去には雑誌「ガロ」を出版していたこともある歴史ある出版社だったが、お家騒動のあと、現経営者蟹江幹彦になってからは独立、ヘイト本や愛国ポルノ本を多数世に出す有害出版社に堕落してしまった。
「経営上の問題」「他のジャンルの売り上げが減った分を保守本が補填してくれている」 東京新聞の記事だが、いわゆる商業ヘイトである。「保守」だなどと口にするのも汚らわしい。保守の矜持もクソもないこんな商売に「保守」などという言葉は相応しくない。
と思ったら海外からもひどいニュースが飛び込んできた。同じくBUZZAP!の記事から引用するが、イギリスの女性タレント、Ursula Presgraveが、
『ダウン症患者は全員安楽死させるべきだ。無意味で野菜のような人生を遅らせるのは残酷だ』
などとフェイスブックに書き込み、これがイギリスの反ヘイト法に触れ、有罪となる見込みだという。
アーシュラは幾度も差別発言を行っているようで、「みんなに注目されたかった」と動機を語っているが、どんな理由があれ、差別を利用するのは許されない。
ネトウヨは差別発言を「言論の自由だ」とか「俺達を批判するサヨクこそ差別者」などと妄言を吐くが、言論の自由は無限に認められるべきものではない。児童虐待に言葉による虐待が含まれるように、他人への差別発言が侮辱罪・名誉毀損罪になるように、不特定多数に対しても差別発言は封じられなければならない。
ましてや差別への批判を「差別」と言って何の疑問も感じないらしいネトウヨのような馬鹿どもをいつまでものさばらせておいてはいけない。
アーシュラ程度の差別発言は2ちゃんねるやヤフーにいけばいくらでも転がっている。この国には特定個人以外へのヘイトスピーチは規制されていないからだ。はすみといい、ネトウヨといい、差別が大手を振って罷り通っているこの国の異常さを痛感する。