「残業=悪になった」いや事実「悪」なんですけど |
「ゆとり世代のせいで「残業=悪になった」と憤る旧世代 「仕事場の和を乱すな」と立腹する人も」
https://news.careerconnection.jp/?p=18160
内容は罵倒合戦の様相を呈している。掲載されているのが2ちゃんねるということで、互いの剥き出しの敵意が衝突しあっている感じだ。正直、あまりいい感じのしない両者の書き方だが、それでも内容を見ながら話を進めよう。
実は周囲を見渡しても「若手=残業拒否」という形態はほとんど見られない。私の職場でも若手も、本音ではどう思っているのか知らないが、残業をして帰る人はザラだ。ただ救いというか、「手当をもらうためだけの無駄な残業」ではないところが違っている。
そして旧世代が残業をしない者へ悪い印象を持っているのも確かだ。
だが労基法によれば、一日の労働時間は8時間を超えないことが原則となっている。それ以上の仕事をさせることは本来なら認められない。「残業代」という割増賃金を払わなければならないのは、時間オーバーに対する企業側への「ペナルティ」なのだ。
よって「残業=悪になった」というのは正しい表現方法ではない。残業はもともと「悪」なのだ。それを知らない、残業するのが当然と考えている世代がおかしいのである。
もし本当に必要なら残業をさせてもいいのか?
これも本来なら違う。残業しなければこなせない仕事を押しつけることが間違いであり、そうであれば人員に余裕を持たせねばならない。
確かに「帰ってもやることがないから残業している」「残業代を稼がなければ生活が成り立たない」ために、必要でもない残業をしている人はいる。こうした人達の意識を変えるのには、彼らを批判しても逆ギレされるだけで非建設的だ。
というのも、独身であれば給料は自分のために使えるし、余暇や趣味に回しても不自由しない。だが家庭を持つ社員は違う。家族を養わなければならないのだ。きれい事ばかり言っている者に反感を覚えるのも、筋は通っていないが理解はできる。
だからこの問題はもっとおおもとから変えなければならない。
それは「残業代などなくても、定時で帰っても、余裕ある生活を家族と過ごすことができる」だけの賃金を支払うことである。
キャリコネニュースはおもに世代間対立のような記事に仕立てている感があるが、後半部分では大事なことも述べている。
「会社によっては最初から残業することを前提に、基本給をわざと低く設定しているところもある」
こんな会社は淘汰されねばならない。
両者は解決策を求めてもっと歩み寄るべきだと思う。罵り合っても会社は上から見下して笑っているだけで何の救済にもならない。