過去30年に見るオタク劣化の歴史 |
毎年、夏と冬の2回、東京ビッグサイトではコミックマーケットが開かれる。
ここからの話は知人がこのイベントに参加申し込みをした時の実話からである。
コミックマーケット通称コミケはサークル参加料+机・椅子代8,000円を必要とする。ちなみに大阪CmiConは2,500円、名古屋コミティアは3,500円である。これらに比べても異常に高価なようにも思えるが、会場の使用料等のこともあるのでここには目をつむるとしよう。
問題は申し込み料金のことである。コミケでは申し込み料金が1,000円かかる。ちなみにパンフレットはホチキス綴じのモノクロ簡単印刷物である。原価など安いはずだ。そして東京在住でなければオンラインでの取り寄せとなるが、この登録料が1,100円かかる。つまり正確な参加料は10,100円なのである。
そして参加申し込みをしても当選するのは一部である。落選者には無垢の参加料金8,000円しか戻ってこない。あとの2,100円はコミケの総取りである。
さてこんな運営方法に真っ向から異議を唱えたブログがある。少し古いが以下のものである。
「同人誌即売会の癌としてのコミックマーケット」
http://16421304.at.webry.info/201208/article_3.html
私にはもっともな疑問だと思えるのだが、どうやらオタク達にとってはそうでもないようだ。
この記事の下のコメント欄を読んでもらいたい。
「金払うの嫌なら参加しなけりゃいんじゃないの」「お前参加すんなよクズ」とブログ主を中傷し、コミケ側を擁護するものばかりなところだ。ブログ主は「参加料が高い」とは言っていない。「金の流れが不透明すぎる」ことを問題視しているのだ。それなのにこんな勘違いコメントを返してくるバカには閉口する。
ブログ主の言う通り、こんなぼったくりはほかのイベントではなされていない。まさにコミケを標的にした搾取商法なのだ。
おまけにコミケは不祥事続きである。爆破予告、時限発火装置、参加者への脅迫恫喝、犯罪加害者のプライバシー暴露など、いくら1日15万人が参加するイベントとしても不祥事が多すぎる。プロ野球は1日6球場で15~20万人の観客を集めるし、それが年間140回ほど行われるが、これほど問題が起きることはない。コミケでの不祥事の発生率の高さは明らかに異常である。
以前はオタクという存在は日陰的な存在だった。謂われのないバッシングを受けて会場を借りられないこともあった。だから慎重に、しかもできる限り道徳的に行おうとしていた。そして同時に権力に対する反骨心もあった。
オタク文化がクールジャパンの名の下におおっぴらになってからおかしくなった。極右的な政治家が秋葉原で支持を訴え、オタクが熱狂するのも当然の光景となった。いまだに認めたがらないリベラル系オタクもいるが、オタク文化にネトウヨは確実に浸透しつつある。だから金の流れの不透明さを追求しようとする革新的な姿勢に、体制奴隷どもが冷笑を浴びせるのだろう。
オタクは劣化した。それは10年、20年、30年前から比べて明らかである。