大学ランキングから見えること |
特にそれが如実に出ているのが自然科学系ノーベル賞だ。日本は自然科学系ノーベル賞を何度も受賞している。しかしお隣の国、韓国ではまだ受賞がない。
ネトウヨにとってこれは自尊心と差別感を煽るにもってこいの材料のようだ。本当にバカ。
日本がノーベル賞が多いといっても、大半が海外での研究込みでの話であり、日本独自で独創性のある研究を行えたという話は少ない。受賞した人は優秀だが、研究環境はそれほど自慢できるものでもない。
さてアジアの2015年版大学ランキングというものがTimes Higher Educationによって発表されている。アジア1位は東大である。一応先進国の面目躍如といったところだが、このランキングを見てみると意外な発見があって興味深い。
まず日本であるが上位100位以内に19大学が選出されている。
では日本が最も多いのかというと、実はそうではない。人口の問題もあって最も多く選出されているのは中国である。28大学が選出されている。
さてノーベル賞受賞者も出せないとネトウヨが歪んだ優越感を見せる韓国の大学はというと、これが13大学も選出されているのだ。人口比などから考えると韓国の大学研究のレベルは日本に匹敵しているといってもいいだろう。
日本の2位は京都大学だが、それよりもランク的には韓国のソウル大学や韓国科学技術院のほうが上に位置づけられているのだ。
ちなみに中国も、京都大より上のランクに4大学が入っている。
ノーベル賞が、などといっても、あれは突出した何万人にひとりの賞なのだ。それより全国民的に、あまねく高度な教育や研究を行える機関が多い方が草の根的には絶対に社会の役に立つし、人々の生活向上にも繋がるのだ。
例えれば、世界に冠たる大金持ちがひとりいて、他の国民が貧困にあえいでいるより、突出した大金持ちは少なくてもいいから、全国民が裕福な生活を送れている、そんな社会の方が暮らしやすいだろうことと似ている。
ただ単に自然科学系ノーベル賞だけでものを言うことにはたいした意味はない。国民が受けることのできる高等な学問に関しては、もはや日本は韓国や中国に肩を並べられていることを知らなければならない。