2016年 09月 20日
地下鉄がないからと、広島を笑うな |
最近何かと批判することの多くなったgudachan氏は、
「広島が仙台を越えられない理由は「都会に当たり前のものがない」から!比べて分かる現実」
などという見当違いの記事を書いていたので、今回はこれを批判する。
gudachan氏はまず地下鉄を挙げて「仙台にあって広島にない」ことを広島が魅力のない理由のひとつとしている。だがこれは大きな間違いである。
広島には「路面電車」という立派な都市交通があるのだ。広島の路面電車を走らせているのは、広島電鉄であるが、この路面電車は、営業距離も利用者数も日本一なのだ。このことは以前「「路面電車は非効率」論を検証する」でも述べた。
つまり広島に地下鉄がないのは、都市としての実力に欠けるからではなく、路面電車で十分、他の大都市の地下鉄の役割を果たせるからなのだ。他方、路面電車を廃止した街は数多くあれど、それらは後に、大量の車の市街地への侵入と、都市交通の整備に悩むことになった。
地下鉄はそのために整備されてきたのだ。地下鉄がある今も、いくつかの都市では「副動脈としての路面電車を残すべきだった」という声が聞かれる。広島は安易に時代の流れに乗らず、それが成功しているのである。
それとgudachan氏はうっかり気づいていないようだが、広島にも地下鉄に相当する鉄道は存在する。広島高速交通線、通称「アストラムライン」である。1991年3月に建設中、橋桁落下事故を起こし、死傷者20名を出した鉄道といえば思い出す人もいるだろう。
だがそのアストラムラインの利用者数は広島電鉄に大きく差を付けられている。やはり広島にとっての都市交通は広島電鉄なのだ。
広島電鉄は表定速度が遅いことでも知られている。できれば渋滞に巻き込まれないような環境にして利便性を上げたい面もあるが、それでも広島電鉄は市民に親しまれている。
それとgudachan氏は仙台駅と広島駅を比較して、その発展ぶりから広島を格下扱いしているが、これにはまったく意味がない。
日本のメガシティはすべて駅前に繁華街を持っている。東京・大阪・名古屋・横浜は都市の代表駅の利用者数が1日に100万人を超える。
仙台はJR東日本と地下鉄の合計で約24万人だ。これでも三大都市圏をのぞけば博多(38万)、札幌(33万)に次ぐ数字なので駅前は繁華街となっている。一方広島駅は16万人程度と、仙台からすれば見劣りがする。しかし仙台の中心街が仙台駅周辺なのに対し、広島の中心地は広島駅周辺ではない。広島の繁華街は八丁堀や紙屋町付近なのだ。
要するに他の100万都市と、広島は都市の構造が違っているのだ。当然、広島駅の周辺はさほど栄えてはおらず、駅から降りた人は少々拍子抜けするだろうが、広島の中心街へ行けば賑わいのある街は存在しているのである。
こうした比較は得てして自分が抽出した要素で行いがちである。だが間違えてはいけないのは、街にはそれぞれ発展の仕方に違いがあるということだ。それを無視して、ただ単に「地下鉄がない」とか「駅前が貧弱」とかだけで都市を評価すれば、それはピントのずれたものとなるのは当然なのだ。
「広島が仙台を越えられない理由は「都会に当たり前のものがない」から!比べて分かる現実」
などという見当違いの記事を書いていたので、今回はこれを批判する。
gudachan氏はまず地下鉄を挙げて「仙台にあって広島にない」ことを広島が魅力のない理由のひとつとしている。だがこれは大きな間違いである。
広島には「路面電車」という立派な都市交通があるのだ。広島の路面電車を走らせているのは、広島電鉄であるが、この路面電車は、営業距離も利用者数も日本一なのだ。このことは以前「「路面電車は非効率」論を検証する」でも述べた。
つまり広島に地下鉄がないのは、都市としての実力に欠けるからではなく、路面電車で十分、他の大都市の地下鉄の役割を果たせるからなのだ。他方、路面電車を廃止した街は数多くあれど、それらは後に、大量の車の市街地への侵入と、都市交通の整備に悩むことになった。
地下鉄はそのために整備されてきたのだ。地下鉄がある今も、いくつかの都市では「副動脈としての路面電車を残すべきだった」という声が聞かれる。広島は安易に時代の流れに乗らず、それが成功しているのである。
それとgudachan氏はうっかり気づいていないようだが、広島にも地下鉄に相当する鉄道は存在する。広島高速交通線、通称「アストラムライン」である。1991年3月に建設中、橋桁落下事故を起こし、死傷者20名を出した鉄道といえば思い出す人もいるだろう。
だがそのアストラムラインの利用者数は広島電鉄に大きく差を付けられている。やはり広島にとっての都市交通は広島電鉄なのだ。
広島電鉄は表定速度が遅いことでも知られている。できれば渋滞に巻き込まれないような環境にして利便性を上げたい面もあるが、それでも広島電鉄は市民に親しまれている。
それとgudachan氏は仙台駅と広島駅を比較して、その発展ぶりから広島を格下扱いしているが、これにはまったく意味がない。
日本のメガシティはすべて駅前に繁華街を持っている。東京・大阪・名古屋・横浜は都市の代表駅の利用者数が1日に100万人を超える。
仙台はJR東日本と地下鉄の合計で約24万人だ。これでも三大都市圏をのぞけば博多(38万)、札幌(33万)に次ぐ数字なので駅前は繁華街となっている。一方広島駅は16万人程度と、仙台からすれば見劣りがする。しかし仙台の中心街が仙台駅周辺なのに対し、広島の中心地は広島駅周辺ではない。広島の繁華街は八丁堀や紙屋町付近なのだ。
要するに他の100万都市と、広島は都市の構造が違っているのだ。当然、広島駅の周辺はさほど栄えてはおらず、駅から降りた人は少々拍子抜けするだろうが、広島の中心街へ行けば賑わいのある街は存在しているのである。
こうした比較は得てして自分が抽出した要素で行いがちである。だが間違えてはいけないのは、街にはそれぞれ発展の仕方に違いがあるということだ。それを無視して、ただ単に「地下鉄がない」とか「駅前が貧弱」とかだけで都市を評価すれば、それはピントのずれたものとなるのは当然なのだ。
by leftwing63
| 2016-09-20 09:00
| 社会(都市・交通)