2016年 11月 16日
携帯電話運転の危険度を客観的に見る |
ポケモンGOでの死亡事故を受けて、政府でいきり立っている人物がいる。自民党の交通安全対策特別委員会合同会議で「運転中のスマホ使用は飲酒運転と同じ罪にすべきだ」との声ばかりが上がったそうだ。
ポケモンGOについての死亡事故はおおまかの意見を見ると「そもそもスマホを見ながら運転すること自体が間違い」というものに集約できる。これについては同感である。
だがすぐに「飲酒運転と同じくらいの罪」と過熱する議論も危険である。ここではスマホ運転がどの程度事故を起こすものかを検証してみよう。
まず昨年1年間に携帯電話等使用で摘発された交通違反は104万件である。交通違反全体が約700万件だから、1/7が携帯電話等の使用によるものとなる。
以前に、警察の交通違反取り締まりは的外れなことをやっていると述べたが、とにかく少なくとも100万人以上がスマホ利用などで摘発されているのだ。
そして携帯電話等の使用中の交通事故はというと1,954件である。これは全交通事故665,126件の0.3%に過ぎない。そして死亡事故は30件であり、これは全死亡事故4,117件の0.7%でしかない。
違反では全体の約15%を占める携帯電話等使用の運転が、事故率や死亡者率で見るときわめて少ないのだ。
ではポケモンGOについて考えてみよう。配信開始から4ヶ月、これまでに運転中にポケモンGOをプレイしていて起きた死亡事故は3件である(ただし1件はバッテリー交換中なので、厳密に言うと違うのかも知れない)。
年間で30件前後の事故死者があるとすれば、ポケモンGOの夏からの圧倒的な占有率からみて、4ヶ月に死亡事故3件というのは決して多い数字ではない。
つまり統計的に見ればポケモンGOによる死者は特に多くもなく、またスマホ運転自体の危険度も他の交通違反と比して決して高いものではない。
実際に海外でもポケモンGOによる交通事故死というのは起きており、注意喚起がなされているのだが、規制を求める声が、公権力が代表して訴えてきたのは日本以外に知らない。
ナイアンテック社と株式会社ポケモンが日本での配信開始に慎重だった理由が、日本ではポケモンGOによる弊害が過剰に叫ばれるであろうとの観測によるものだというのは実に的を射ている。
と、ここで「スマホ運転は飲酒運転と同列に比べられるほど危険な行為ではない」と客観的な事実を述べても頭に血がのぼった政治家や一般大衆の考えが変えられるとは思っていない。
彼らにとって、自分の受けた感情こそがすべてであり、メディアによって増幅された情報であっても信じることこそが正義だからである。
一部のニュースネタになる少年犯罪を受けて過剰な報道に走り、減り続けていた少年犯罪の厳罰化という愚行をやらかした再現になるであろうことはもう間違いない。
ポケモンGOについての死亡事故はおおまかの意見を見ると「そもそもスマホを見ながら運転すること自体が間違い」というものに集約できる。これについては同感である。
だがすぐに「飲酒運転と同じくらいの罪」と過熱する議論も危険である。ここではスマホ運転がどの程度事故を起こすものかを検証してみよう。
まず昨年1年間に携帯電話等使用で摘発された交通違反は104万件である。交通違反全体が約700万件だから、1/7が携帯電話等の使用によるものとなる。
以前に、警察の交通違反取り締まりは的外れなことをやっていると述べたが、とにかく少なくとも100万人以上がスマホ利用などで摘発されているのだ。
そして携帯電話等の使用中の交通事故はというと1,954件である。これは全交通事故665,126件の0.3%に過ぎない。そして死亡事故は30件であり、これは全死亡事故4,117件の0.7%でしかない。
違反では全体の約15%を占める携帯電話等使用の運転が、事故率や死亡者率で見るときわめて少ないのだ。
ではポケモンGOについて考えてみよう。配信開始から4ヶ月、これまでに運転中にポケモンGOをプレイしていて起きた死亡事故は3件である(ただし1件はバッテリー交換中なので、厳密に言うと違うのかも知れない)。
年間で30件前後の事故死者があるとすれば、ポケモンGOの夏からの圧倒的な占有率からみて、4ヶ月に死亡事故3件というのは決して多い数字ではない。
つまり統計的に見ればポケモンGOによる死者は特に多くもなく、またスマホ運転自体の危険度も他の交通違反と比して決して高いものではない。
実際に海外でもポケモンGOによる交通事故死というのは起きており、注意喚起がなされているのだが、規制を求める声が、公権力が代表して訴えてきたのは日本以外に知らない。
ナイアンテック社と株式会社ポケモンが日本での配信開始に慎重だった理由が、日本ではポケモンGOによる弊害が過剰に叫ばれるであろうとの観測によるものだというのは実に的を射ている。
と、ここで「スマホ運転は飲酒運転と同列に比べられるほど危険な行為ではない」と客観的な事実を述べても頭に血がのぼった政治家や一般大衆の考えが変えられるとは思っていない。
彼らにとって、自分の受けた感情こそがすべてであり、メディアによって増幅された情報であっても信じることこそが正義だからである。
一部のニュースネタになる少年犯罪を受けて過剰な報道に走り、減り続けていた少年犯罪の厳罰化という愚行をやらかした再現になるであろうことはもう間違いない。
by leftwing63
| 2016-11-16 09:00
| 社会(教育・学問)