誰か百田尚樹をなんとかしてくれ(呆) |
その映画とは今週土曜公開予定の「海賊とよばれた男」である。監督は山崎貴。
なぜ荒れているのか? これは言うまでもないだろう。原作者があの百田尚樹だからである。山崎監督は先に同じく百田原作の「永遠の0」を監督しヒットさせた、その手腕が買われたのだろう。
それでどういう荒れ方をしているのか? 通常公開前の映画にもレビューは着く。それは先行上映や試写会を見た人もいるからだ。
だがこの「海賊とよばれた男」は12月5日0時現在で216件もレビューが着いている。これは常識では考えにくい数字だ。そしてレビュアーの半数以上が最低点の1点を付けているのだ。
私は映画の評価に原作者の人格や思想を持ち込むことは避けたいと考えている。私とすぎやまこういち氏の政治思想は異なるが、ドラクエのオープニングテーマ曲は名曲だと思っている。黛敏郎氏とも思想は異なるが、音楽の才能は認める。
とはいえ百田がネトウヨの英雄だとしても、多くの人から蛇蝎のように嫌われているのもはっきりした。
百田はかつて「ニッポンの害人」で批判したこともあったが、この男、ネトウヨのデマを盲信し、しかも自身からもデマを吐きまくり、ヘイトスピーチを続けている。時に間違いを指摘されたりもするが、それでも懲りずにデマにまた乗せられたり、「誰々は在日ではないか?」との差別を吐いては良識あるサイトで批判されたりとこの繰り返しだ。文学界の片山さつきとも言える存在だろう。
津田大介氏などは「もうツイッターは利用規約違反としてアカウントを停止するべきだ」との意見を述べている。ヘイトスピーチが罰則がないとはいえ事実上違法状態とされたにもかかわらず、百田はなんのためらいもなくヘイトスピーチを続けているのだ。
一方、リベラル側はネット上でも非常に良識に富みすぎている。少しは強烈な口調でヘイトにならない程度に攻撃を加えてもよいのではないかと思うが、リベラルの姿勢はどこか性善説を感じさせるところがあって少々歯がゆい。
そんな「抑制が効いたリベラル」以外にも、少々お行儀が悪いが、百田発言に反発する多くの人がYahoo!のレビューを炎上させているのだろう。
なお「海賊とよばれた男」はそれなりに読ませる書籍なので、一度目を通してもよかろう。だがこのあとネトウヨ思想で逆上した時期の百田の作品「カエルの楽園」はクソである。何の暗喩にも寓話にもなっていない駄作である。
思想ありきで書いた作品はどうしてもくだらないものになる傾向は確かにあるようだ。