知らぬうちに汚染機材を使っているかも… |
輸出を差し止められた車は、どうやら福島で除染などに使われ、その後、中古車販売され流通したもののようだ。
基準としては表面線量が0.3μSv/hなら輸出を差し止め、荷主に返却する。5μSv/h以上なら隔離し関係機関に通報することになっているらしい。
一年中、車に乗りっぱなしという人もいないだろうから、この基準を守れば概ねは大丈夫だとは思うが、問題はその広がりである。東京で450台、川崎で7,892台、横浜で2,746台、ここまでは理解できる。だが偏西風の風上で放射能が届いているはずもない名古屋でも978台もの汚染車両が見つかったのだ。あとは大阪や福岡、那覇にいたるまで、台数こそ少ないが汚染が見つかっている。
こうなったのは中古車販売の形態にあるらしい。中古車は業者の手からオークションにかけられる形で各地に流通する。その過程はほとんどの人が知らない。荷主はそれと知らず汚染車両を購入したことになり、いざ輸出の段になって汚染を指摘され慌てる、という構図だ。
福島で除染にたずさわった車は洗浄されるが、完全には洗浄しきれていなかったものもあるということだ。今では除染に使った車は国内では販売はほとんど不可能で、徹底洗浄して海外に輸出するしか利用する手段はないともいう。
実際に汚染が指摘された車も、再度洗浄して基準をクリアすれば輸出は認められる。
しかしこれは考えてみれば怖い話だ。
国内の流通には特に取引規制基準がないので、ほかにも汚染された車は多く出回っている可能性は高い。
いや、問題は車だけでなく、他の機械ものすべてに及ぶ。除染に使った機材はさまざまな形で再利用され、高度の汚染があるにもかかわらず、知られぬまま日本中を流通している可能性があるのだ。
ましてや部品関係となるともうまったくお手上げらしい。
あなたの手元にある中古車や機械部品が原発の横で放射能の雨を浴びていても流通の経路はすべては不明だ。そしてそれが何のブロックもされないまま流れ着いたものであるかも知れない。
根が深すぎて、そして広がりすぎて、厄介な問題が生じたものだ。