傲慢を絵にかいたような江守正多 |
だが昨今の国際機関やIPCCなどの動きを見ると、ろくにわかってもいないこの問題について「もはや我々が正しいことは間違いない」とばかりの思い上がった姿勢を打ち出している。私はそこを批判しているのだ。
ある研究者によると「地球温暖化論は政治家の転向に似ている」という。つまり世の中の大勢がそちらについたら、自説を簡単に翻して多数側に着くことを言っているのだ。今の人為的温暖化論を見ていると、こうした科学の根幹を無視した姿勢が感じられる。
国立環境研究所の江守正多氏は、非常に悪い意味での科学者の独善性を発露している。
江守氏は懐疑派の存在を認めない。自ら「懐疑派バスターズ」と銘打って、人為的地球温暖化に疑問を挟む勢力を悪の権化のように「成敗」することを目標に行動している。
これは科学の柔軟性をまったく無視した傲岸不遜としか言いようのない、きわめて醜い姿勢である。
もう一度言うが、江守氏は懐疑派と議論するのではない。懐疑派の存在を絶対に認めないという非常に独裁的な思想の中で「科学」を語っているのだ。私が毛嫌いする「似非科学」だが、江守氏はまたさらに毛嫌いする「独善的に思い上がった似非科学批判者」の典型的な人物である。
そもそも日本政府は人為的温暖化を真実と認めてしまっているので、税金で運営する国立機関はこれに逆らう研究はできない。これでは科学が発展するわけはないのだ。
また今の温暖化議論はIPCCとNASAの発表に偏りすぎている。NASAが今世紀最高の気温と発表すれば、何の疑いもなくそのまま記事にする。
だが以前にも書いたが、この地球の気温を計っている観測地点は都市も無人地帯も関係がなく配置されているのだ。そのため観測点分布を見るとアメリカや欧州、アジア東部の大都市が多い地域に集中している。これでは都市化の温度を測っているようなものだがIPCCは「問題ない」と根拠もなく言うだけである。
またIPCCは北極の氷が減っているのは「温暖化のため」と断言しているのだが、実は南極の氷は増加している。これについては「科学的理解については確信度が低い」と言って逃げているのだ(気象庁HPに記載されている)。
氷が減ったら「温暖化」、でも氷が増えたら「それは知らん」、こんな機関のいうことが信用に足りるだろうか?
江守氏は非常に頑迷なまでの人為的温暖化論者だ。だが科学者は常に柔軟な頭をもっていなくてはならない。「君子豹変す」は決して悪い言葉ではないことを江守氏に今一番伝えたいのだ。