共謀罪「テロ資金集め」の危険性 |
韓国では元大統領が次々と辞任後、逮捕されたり起訴されたりしてきた。これを韓国の悪い風習とする向きもあるが、個々の事例を見ると逮捕・起訴もやむを得ないものがほとんどだ。朴槿恵もそうだ。収賄となれば贈賄よりも日本では罰則が重い。
なぜそうなるかは大統領の権限が大きすぎるからである。
共謀罪の問題点に著作権法などが入っていることは非常に問題視されているが、今度はキノコ取りまで対象になるという。その理由は、「テロ資金に流用される恐れがあるため」であるという。
だがこんな理屈が通るのなら共謀罪は何にでも無制限に網をかけることができてしまう。
「テロ資金に流用の恐れ」であれば、どんな経済犯も対象にできてしまうからだ。あとから「○○はこうした計画で違法な経済行為を思いついた。この金はテロに流用される恐れがある」となればそれこそ何でもありではないか。
海外では共謀罪があるという。だが転び公防のような微罪逮捕・別件逮捕が横行する日本とは同列では比較できないし、仮にそれがテロへの備えだったとしても、共謀罪のない日本で国際的テロが起きておらず、逆に共謀罪のある欧米でテロが頻発している現状をどう思うのか?
法ではテロは防げないのだ。
それがはっきりしたのが2016年、フランスのニースで起きたトラックテロ事件である。トラックという、誰にでも入手可能なアイテムを使い、100人近い人を殺害した。これはいくら法を整備しても、銃刀器を規制しても日常の物で大量の殺人を行うテロが実施可能だということを証明してしまったのだ。
事実そのあとにもトラックを使ったテロは起きている。
欧米ではテロの手段が航空機乗っ取りのような大がかりのものから、次第に軽いフットワークで実行できるものへと移行してきている。
ではそれを断つために資金集めを阻止するとなると、これはもう人の金の動きをすべて把握しようとする以外になくなってしまう。カード決済や通販なども傍受し、制限をかける口実になりかねない。
つまり「資金集め」を理由にし始めた時点で、この法律は無限に暴走する可能性を持っているのだ。
今一度、権力に過大すぎる力を与えてはならないことを理解すべきだ。
「共謀罪」という名では反対多数だったのが、「テロ等準備罪」という名にしたら賛成が多数になったと物わかりのいい国民にならずに。