肥満がそんなに社会問題なのか? |
マスメディアを通じては連日のように肥満と飽食に対する恐ろしげな情報ばかりが流される。
だがここで少し立ち止まって考えてみよう。日本人にはそんなに肥満が多いのか、という根源的な疑問についてである。
厚生労働省はBMIをもって肥満の判定を行っているようだ。その数値からいうと2016年で男性の28%、女性の19%が肥満に当たるらしい。
だが街中を見渡してみても、4人に1人とかの高い比率で太った人は見られない。もちろん体型には個人差がある。ガッチリした体型の人は太めに見えるがそれは肥満とはいえないだろう。
国内基準だけでの数値で比較しても仕方がない。ここではWHOの数字で比較してみるとしよう。
WHOによると日本人の肥満率は男性5%、女性3%…なんだこの数字は?
そう、日本人の肥満率は国際的に見ると全然高くない。というかとてつもなく低い。先進国で日本より肥満率の高い国はひとつとしてない。日本の肥満率となんとか比較できるレベルにあるのはアフリカの内戦や、北朝鮮のような圧政で飢餓に苦しむ人たちぐらいである。
つまり日本で「肥満、肥満!」と大騒ぎしている人達の大半は、国際レベルからいえば標準的な体型だったのだ。
日本の「肥満順位」は190ヶ国中、180位ほどのランクである。これ以上痩せようと思えば、それは世界の最貧国と同レベルになるということだ。
どうやら日本人は自らの健康志向と、政府による医療費抑制目標のために踊らされているのではないかという実態が見えてくる。
もちろんこれには日本人の痩せ志向が結果として出ている可能性もあるが、政府が音頭を取って健康をうたうほどには日本人は太ってはいないのだ。
こうした数字を取り扱うには栄養学の権威よりも、純粋に数字を統計として扱う学者の方が向いているのだろう。
現時点で日本人は十分に痩せている。これ以上、減量に人を走らせるような情報の洪水は「健康は義務だ」のナチス的理論に走りかねず、危険であると思われる。